住宅産業研究所MJR~1201

住宅商品トレンド

二世帯向け遮音床
 東北地方を中心に、東日本大震災の復興需要が拡大しています。直接被害を受けていない地域でも、震災をきっかけに住宅計画を本格化する動きが広がっており、中でも建替需要が動き出していることに注目です。これは、現住居の耐震性への不安や、家族の絆の再認識などが、動きの鈍い建替層の「背中を押している」と考えられます。
 住宅各社でも、建替層に向けた様々なアプローチを強化していますが、商品面でのポイントとしては「二世帯住宅」提案があげられます。大地震など、いざという時には年老いた両親がそばにいた方が安心だとか、幼い子供の面倒をおじいちゃん・おばあちゃんに見てほしいなど、親世帯、子世帯ともに改めて二世帯同居のメリットに目を向け始めたということでしょう。
 二世帯住宅の提案としては、生活動線に配慮した間取りや、「孫」をキーワードとした交流スペースなどが目立ちます。つまり、どちらかと言うとプランニングによる工夫であり、住宅設計の素人であるお客様にとっては、実際の生活がイメージできず、いまひとつピンとこないということも考えられます。
 住友林業の新商品「ikiki(イキキ)」は、共働きの若夫婦世帯と、夫婦ともに元気な親世帯をターゲットとした二世帯住宅であり、様々な提案を盛り込んでいます。中でも注目は、床構造「遮音60仕様」を標準採用したことです。これは、生活リズムの異なる親子世帯が上下階に分かれて暮らすことを想定し、2階床の遮音性能を「業界トップレベル」に引き上げたことをアピールするもので、「従来の2倍の防音用断熱材」、「‘騒がしい工場’を‘図書館ほどの静けさ’に」など、具体的な数値や生活イメージを提案していることがポイントです。 二世帯住宅の新たな切り口として、このような分かりやすい提案が求められます。(1月30日号 脇田)

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業界トピック

今後10年の着工予測
 最近、消費増税の話題が、頻繁に取り上げられるようになっています。
 住宅業界にとっても、非常に大きな影響を与える増税ですから、増税のタイミングを注視して、準備と対策を練っておく必要があります。

 さて、消費税増税に当り、住宅着工戸数はどう変化していくでしょうか。
 2011年度は、もうゴールが見えていますから、大体83万戸くらいに落ち着くでしょう。
 大手ハウスメーカーの受注動向としては、昨年10~11月はやや停滞し、12月から少し上向きという傾向が見られます。建替え需要が結構動いているようです。一方土地も重要なアイテム。大手も多くの土地を仕込み始めていると言います。

 2012年度前半は建替え客の捕捉が進むと思われます。後半は消費増税が予定通りに進んだ場合、早めの駆け込み需要が発生し始めるでしょう。景気動向で大きく左右されますが、来年度の着工は85~86万戸程度に落ち着くと見られます。

 その翌年の2013年度は、消費税駆け込み需要が本格化します。住宅にも8%消費税が適用された場合、93万戸くらいまで着工を押し上げると見られます。

 2014年度は一端、駆け込みの反動で落ち込みますが、2段階方式の増税ですから、後半には2度目の増税へ向けての駆け込みが出て来るでしょう。着工は84万戸くらいと予想。

 2015年度は10月に10%まで消費税が上がるため、前半に最後の駆け込みがあります。後半はその反動で落ち込みますから、80万戸を割るレベルまで落ち込むかもしれません。

 2016年度は駆け込み需要の反動が来る年ですが、以前消費税が上がった時の97年度のように激しくは落ち込まないと思われます。2段階方式のため、緩やかに減少ということが予想されます。とはいえ、今後人口の減少、特に30代を中心とした若い世代は、減少率が大きく、住宅購入者層はじわじわと減少していきます。
 リフォームを始めとした周辺ビジネスなどにも取り組み、消費税増税後を見据えた、事業計画を今から準備していかなければなりません。

 弊社では2月末~3月に掛けて、懇親会も含む特別セミナーを企画しています。年度末に向けてご多忙とは存じますが、是非ともご来場、お待ちしております。(1月27日号 関)
http://www.tact-jsk.jp/image/dmdata/tact1202.pdf
▲セミナーのお申込みはこちらから

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注目の住宅関連広告

アフター重視の広告で安心感訴求
 より縮小していく住宅市場で生き抜く策として、ハウスメーカー各社において、この1~2年の間は特に組織の再編やコスト削減など業務の効率化が積極的に進められています。
 ミサワホームは、これまで長野を担当していたミサワホーム信越長野支社とミサワホーム山梨を統合して「ミサワホーム甲信」が、新潟は新たに誕生した「ミサワホーム新潟」がそれぞれ担当、立地・商圏を重視してより効率的な組織体制としました。

 統合の際は下のような広告が出稿されましたが、販社や支社など組織の統合を新聞広告で大々的に宣伝することは少なく、目新しい印象を受けます。広告内では「より地域に密着したサービスを提供できる」として、管轄する展示場と下請け工務店の一覧を掲載しています。新体制後も継続してアフターフォローを行う旨を告知することで、読者に対して安心感を与える効果があります。新築着工数が減少していく中で、リフォームや紹介受注を増やすのは各社共通の命題であり、今後は広告においてもアフターでの安心感訴えは重要なポイントになります。(1月23日号 平野・陽)

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住宅会社のIT・WEB戦略

メーカーHPはOB客囲い込みに向いている
12-1.seki-k.jpg 経済産業省の調査によると、2010年時点でのEC市場(消費者向け電子商取引)は7.8兆円で、右肩上がりで成長を続けています。特に売れているのは化粧品、衣料品といったものですが、全ての業種でEC化率は伸びています。つまり、世の中の商品やサービスなどの、ネットからの申し込みや決済が増えているということです。
 売れているものの傾向を上げると、①リピート率が高い物、②お得感のあるもの、③重くて運びにくい物、が有利なようです。つまり、商品に思い入れが少ないが、生活に必要なもので、運ぶ手間の省ける物。飲料水やプリンターのインクなどが思い当たります。

 ここで住宅業界を振り返ってみると、上記のいずれにも属していない事が分かります。一般的にリピートして買うものではなく、プランの作成・ローンの説明など必ず人が介在する必要があります。また注文住宅を建てるということは、それだけで家を建てる人それぞれの思い入れが強いはずです。一部先進的に「ネット住宅」に取り組むメーカーもありますが、今のところ他業界のような急拡大は遂げていません。

 しかし、住宅業界でもWEBサービスとして適した使いどころはあります。それは、アフターサービスの窓口としての機能です。
 ●住友林業   「クラブフォレスト」
 ●旭化成ホームズ 「ヘーベリアン・ネット」
 ●パナホーム   「パナホームクラブ」
等、大手各社は既にOB顧客向けの独自サイトを設置しています。進んでいる会社では、家のメンテナンスの部材のオンライン販売も開始しています。例えば住友林業の「クラブフォレスト」からは、換気扇のフィルターや、フローリング用のワックスキットなどが購入できます。このような商品は前述した“ネットで売れている物”の傾向と照らし合わせても合致しています。

 また、パナホームでは2012年1月より、オンラインショップと、ポイント制度を開始しています。販売物は家のメンテナンス用品などですが、ネットから購入するとサイトで利用できるポイントがたまるサービスで、お得感を訴求しています。ショップ自体の利益拡大ももちろんですが、便利なサービスを提供することでOB客を囲い込み、会社自体をリピートしてもらうこと。リフォームや紹介受注などを見越した取組みと言えるでしょう。(1月20日号 関・和)

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好調ビルダーの商品・営業戦略

ビルダーもスマートハウスへ追従するか!?
 昨年辺りからハウスメーカー各社で具体的な商品化が進められている「スマートハウス」。以前から、省エネ・創エネといったエコ戦略は、商品開発における重要なキーワードですが、震災後は省エネを重視する流れは一層加速しています。省エネ機器を統合管理する最先端技術の結晶である「スマートハウス」は、消費者にも確実に浸透し始めているのではないでしょうか。

 「スマートハウス」の商品化は、開発面で先行するハウスメーカーがリードしていますが、ビルダーでも「スマートハウス」を謳った商品が徐々に出始めています。

 アキュラホームでは、今年1月から3月末までの期間限定で、「長期優良エコ住宅 Meguru Plus」の販売を開始しました。長期優良住宅仕様の躯体に、PV、太陽熱温水器、エコキュートなどの創エネ設備を標準搭載し、HEMSも選択して追加できる商品です。延床面積99.36㎡で1690万円~に価格を抑え、光熱費収支がプラス5万円を下回った場合、差額分を補償する「光熱費収入補償」の特典を1年間付与することで、メーカー勢の「スマートハウス」よりもお得感を出しています。

 一方で、革新的な技術もいずれは平準化すると見て、「スマートハウス」の流れには乗らないビルダーも多数あります。地産地消材の使用によるCO2削減や、パッシブデザインといった、「スマートハウス」とは違うやり方で「省エネ」をアピールしたり、デザインやプランに凝って「性能」よりも「感性」で選んでもらえるような家づくりを行っているビルダーは、「スマートハウス」への追従には消極的なようです。

最先端技術が導入され、燃費が良いハイブリッドカーが好きな客がいる一方で、馬力とデザインに優れるスポーツカーや、メンテナンスに手のかかる旧車が好きな客もいます。自社の想定する顧客増にマッチした商品戦略が、ブランド化・差別化となるはずです。(1月16日号 布施)

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業界トピック

昇竜の如く、住宅業界の復興を目指す1年に
 新年、明けましておめでとうございます。
本年も弊社、並びに「月刊TACT」、「週刊エクスプレス」、どうぞよろしくお願い致します。

2011年、住宅業界にとって、日本にとって、世界経済にとっても、大きな変化が起きた年でした。何と言っても東日本大震災と福島原発事故は、あまりにも大きな出来事でした。
住宅業界はどんなことがあったでしょうか。1月号のTACTで取り上げる項目とは多少違いますが、昨年の10大ニュースとして考えてみると、以下のようなことがありました。

<2011年10大ニュース>
① 東日本大震災で、住宅や不動産へのユーザー価値観が激変~安全・安心、省エネ
② スマートハウスの本格的な市場投入~スマハ元年
③ 異業種の住宅参入、家まるごと戦略化、東京モーターショーに住宅会社出展
④ 住宅取得支援策効果で、震災後も着工受注はしばらく好調推移、着工はプラスに
⑤ 支援策の終了と再開、税制改正大綱では省エネ住宅に手厚く
⑥ 大手メーカー軒並み増収増益達成(11年3月期、11年9月の上期決算)
⑦ 弱肉強食のM&A、合従連衡が進む
⑧ リフォーム市場も好調推移~大手メーカーリフォームも1000億円規模睨む
⑨ パワービルダーも軒並み過去最高業績を達成(11年3月期)、12年度はやや失速感
⑩ サービス付き高齢者住宅制度がスタート

今年は縮小ながら支援策も復活し、税制でもメリットが拡充すれば、まだ住宅市場は堅調さを維持できるでしょう。震災特需の着工増も期待は出来ます。今後懸念される材料としては、引き続く円高、欧州危機、中国バブル崩壊、消費税増税等等ですが、既に一部からは銀行からの融資が厳しくなったという声も聞こえてきます。住宅市場を活性化させるためにも、消費マインドが冷え込まないように、いろんな施策を打って行かなければなりません。

弊社では昨年末に経営陣が変わり、新体制がスタートしました。それに伴い、2月末~3月に掛けて、懇親会も含む特別セミナーを企画しています。年度末に向けてご多忙とは存じますが、是非ともご来場、お待ちしております。

今年が住宅業界にとって、皆様の会社にとってより良い年となりますよう、お祈り申し上げます。(1月11日号 関)